高尾駅北口前から京王電鉄バス小仏行に乗車して約10分、高尾山の登山口「日影」バス停の次の大下(おおしも)で下車します。
南淺川の流れに沿ったこの界隈は旧甲州街道で、春には点在する梅林が色を添えて里山歩きを楽しむ人たちでにぎわいをみせます。バスを降りて下流に約50メートル戻り、中央本線のガードの手前の、すぐ左が小下沢(こげさわ)林道の入り口です。少し行くと左手に貯木場があり、右手の斜面一帯には小下沢梅林が広がっています。ここから小下沢の流に沿った林道を約40分歩くと車止めのゲートがあり、その奥に旧八王子市野営場があります。私たちはここに道具小屋を置いて活動のベースにしています。(作業日は入林許可をもらって高尾からここまで乗用車で入ります。)
ここから上流関場峠に至る小下沢の流れと景信山から関場峠に通じる稜線に囲まれた斜面178ヘクタールが私たちの作業のフィールドです。このフィールドの約80%はスギとヒノキの植林地ですが、それでも一部の尾根筋や小下沢沿いには、カエデやケヤキをはじめ多種の広葉樹が残されています。作業中サルの群れに会うことはしばしばで、イノシシ、ウサギ、リスなども棲息しています。小下沢林道を上流に遡ると、岩をかむ清流にもみじが影を落とし、小滝も現れて、ここが年間200万人が訪れる高尾山域の一角とは信じがたいほどの静けさと渓谷美を呈しています。
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