高尾の森へようこそ

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会報:「高尾の森通信」

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1.美しい日本の山野の、自然環境の保護、育成、復元 に寄与 できる活動でありたいと思います。

2.私たちの活動はボランティアです。活動の基本は自主、自己責任で楽しい運営をしたいと考えています。

3.小下沢地区は、高尾周辺の国有林の中で、美しい 風景を保存する「風景林」として指定されていま す。高尾生来の植生を考慮しつつ 、風景林の名にふさわし い森の復元が私たちの課題です。

4.みんなで役割を分担して世代交代を図りながら長続きする活動にすることを考えています。

T 高尾の森づくりの現況と整備の目標

1 活動フィールドの概況

@  「高尾の森づくり活動」のフィールドは、小下沢川最上流部を占める小下沢国有林のうちの右岸部分で、南は景信山(727m)、堂所山(731m)に、北は小下沢川、関場峠に接した、178haの区域である。

A 東京都立自然公園、鳥獣保護区。国有林の機能類型区分は「森林と人との共生林」のうちの森林空間利用タイプで、「風景林」に指定。施業上の取扱は複層林化を指向することとされている。

B  アクセスは、小下沢川沿いに関場峠まで小下沢林道が通じているが、一般車の利用は規制されている。大都市圏から至近距離にあるが、流域内に人家等はなく比較的自然が保たれており、「都市近郊の奥山」と位置付けるのが妥当。

C  四万十帯小仏層群の頁岩、砂岩等の地質を小下沢川がV字形に侵食した急斜地形であり、土壌は森林褐色土。一部に石礫堆積斜面が介在。渓流沿いには崖、滝が見られる。

D 標高は300m〜700m(標高差400m)の範囲にあり、暖温帯と冷温帯の中間帯(遷移帯)に位置しているため、潜在自然植生は照葉樹林の指標植物であるヤブツバキから、落葉広葉樹のブナ、ミズナラ要素まで多様であるが、人工林化によって自然植生の面的な広がりは失われている。

E 戦前の「御料林」の時代から積極的に人工造林が行われ、左岸の国有林、小下沢川下流部の東京都有林と共に流域全域が人工林地帯を形成。平均の林況は2〜3代目の人工林。

F 植林可能なところは、渓畔から尾根筋に至るまで全面的に植林されており、スギ、ヒノキ単層林が80%を占めている。特に、ザリクボ沢の森以外の上中流部では広葉樹林の割合は極めて少ない。

G  これらの人工林は、この20年来、伐採や新植がほとんど行われていないため、壮齢林に偏重。また、つる切り、間伐などの手入れが十分されていないため、30年生程度以下の林分では全面的につるが繁茂してギャップを形成。それ以上の林齢の林分では過密化が進行しており、森林の機能が低下。生物層は単調になっている。

2 森林整備の目標  

 高尾の森づくり活動のエリアは、都市近郊にありながら都市の喧騒からは隔離されており、森林の構成も壮齢の人工林に偏ってはいるものの、中には50年生以上の森林も見られるなど、誘導の仕方によっては、風景林として大きな可能性を秘めたフィールドである。
 これらの森は少し手を加えることによって、荘厳な雰囲気をもつ巨樹の森に誘導していくことができ、また、現に木材としての利用が可能な人工林では、強度の間伐(択伐)を行い、その下層に広葉樹の植樹を進めることによって、針葉樹と広葉樹の混じった混交林を育成し、森林の多様化を図っていくことができると思われる 。
 そうすることは、もともと日本の森が普遍的に持っていた「多様で豊かな森」のすがたに早期に回帰するよう、自然の力を誘導していくことであり、真に「風景林」の名にふさわしい森を創造していくことである。

  「高尾の森づくり活動」では、森林整備の目標を次のように描き、かつ当面の森林整備の数値目標として、50年後の森林のすがたを設定する。 これらを達成するため、森林整備5ヵ年計画、作業指針等を作成して、「高尾の森づくりの会」の森林整備活動の活動方針とする。50年後であれば、若い会員は、自分の眼でその森を見ることができ、その森に浸ることができる。

森林整備の目標

「多様で豊かな森林」への回帰

 ――"巨樹の国ニッポン"のモデルとなる森づくり――
「多様な森林とは」
・多様な林相がモザイク状に分布する森林
  広葉樹林と針葉樹林、天然林と人工林、混交林、巨樹の森、壮齢林、幼齢林、 疎開地などが入り混じり、変化に富む森林
・上層木の下層に立体的に、中低木、草本、シダなどの下層植生が生育する森林
 針広混交林、複層林、間伐により密度調整が適正に行われた森林
・植物相(フロラ)が多く、種多様性の高い森林
 特に種のレベル重視、群集、群落、遺伝子レベルでも
「豊かな森林とは」
・森林に依存する生命の豊富な森
  小鳥、昆虫、土壌生物をはぐくみ、渓流にサンショウウオが生息する森
  サル、イノシシ、アナグマ、ウサギと共存できる森
   リス、テン、ムササビに逢え、ホタルが飛び交い、ギフチョウが復活した森
・多様な景観が見られ、森に入って憩える森
  季節ごとに変化に富む緑と紅葉が綾なす森
   セラピー効果が高く、小径が辿れ、静かな空間の中で憩える森
・根系が発達し、森林の活力が高い森
  土壌の流亡や斜面の崩落がなく、病虫害や気象被害にも抵抗力の強い森
  土壌が深く、団粒構造が発達し清らかな水を蓄える森
・森からの恩恵が常時、継続的に享受できる森
  大径で高品質な木材が、継続的に循環利用できる森
  きのこ、山菜、木の実が取れる森
「モデルとする具体的な森林のイメージ」
・ 秋田スギ天然林、魚梁瀬スギ天然林、青森ヒバ天然林のような針広混交巨木林
・ 羽黒山、高野山、熊野山に見られるようなスギ、ヒノキの巨木の森

わたしたちは、いつの日かこんな森が甦ることを目指してています

 

会の目標
内容
活動基盤の充実 事務局、作業班、専門班などの体制作り、財政基盤の確立
若 返 り 若いメンバーの育成、青少年教育(子供キャンプ、自然観察会)
技術の向上 森の研修会(理論、実践)、リーダーの育成、機械操作講習
調査研究の実施 広葉樹の育林技術の検証、危機に瀕している動植物種の復元手法の研究
情報の発信 高尾の森通信、ホームページ等の活用
拠点施設の活用 新築した高尾の森作業小屋を活用した活動
活動の地域展開 日本山岳会支部、他のボランティア団体との連携・支援